カード利用枠を設定する=与信する。ということ。
「旅行代金10万円貸してほしいの。来月返すから!」
って友達から言われたらどうしますか?
そんな友達、滅多にいないとは思いますが、
友達であったとしても、フツーはうまいこと言ってなんとか断りますよね。
クレジットカード決済という立て替え手段を使って、見ず知らずの人にお金を貸す。
というのがクレジットカードのざっくりとしたビジネスモデルになります。
なので、
顧客から見ると、「カード利用枠を設定する。」ですが、
カード会社目線だと「顧客を信用してカード利用枠(=与信枠)を設定する。」ことになります。
- 信用枠を与える。
- 信用して利用枠を与える。
という風になります。
カード利用枠は信用があるからこそ。
クレジットカード会社がカード与信枠を設定する際、
闇雲にカード利用枠(カード会社側から見て与信枠)を設定しているわけではありません。
- 個人信用情報機関(CIC、JICC、KSC)が保有・管理している個人信用情報
- 年収、年齢、性別、職業
- 自社カードの支払い状況、過去の利用内容
などなどを総合的に判断して各クレジットカード会社は審査していると思われます。
どの要素を重要視しているかはクレジットカード会社によって違うと考えられます。
いずれにしても、金融機関からの信用(=信用してもらうこと)が必要になります。
カード会員になったばかりのひとから、「100万円じゃ利用枠が足りない!どうにかして!」
という電話を受けることもありましたが、
見ず知らずの一見さんを信用していきなり大きな信用枠を設定することは結構ハードルが高いこともあります。
カード利用枠を増やすには
じゃぁ、どうしたらいいの?
ですが、カード会社によって多少の違いこそあれ。
- 「まずはご利用いただいてカード決済(支払い)実績を積んでください。」
- 「決済実績を積んで3ヵ月から6ヵ月後にまた電話くださいね。」
と言われることが多いと思います。。
信用で成り立っているビジネスモデルですので、支払い実績を積むことで、
- 「ほら、ちゃんと払えてますよね。」
- 「支払い能力があるんだから、もっと大きな利用枠があっても大丈夫でしょ。」
ということを証明することでカード利用枠を増やすチャンスが広がります。
支払い実績が積みあがる(=信用度が増す)と、
「カード会社側が対象顧客を選んで利用枠を増枠、顧客に増枠の連絡(メールや書面通知)をする」
という風に利用枠が増えることが多いと思います。(知らないうちに利用枠が増えてたってヤツです)
ただ、「待っていられない。」時は、
「顧客側から電話やWeb申込で利用枠の増枠申請する。」というアクションを取ることになりますが、
ある意味、お金を借りる側になりますので、「カード利用枠について相談する」。
というスタンスで臨まれる方が無難だと思います。
与信に関して会員規約に書いてあること
クレジットカード会員規約にはおおむね以下のようなことが書いてあります。
- カード利用枠はクレジットカード会社側が決める。
- カードが利用できるのはカード会社側が許可した商品・サービスだけ。
- カード会社側が不適切と判断した商品・サービスに利用した場合、カード利用を一時的に止めることがある。
- カード会社側が不適切と判断した商品・サービスに利用した場合、カード契約を解約する場合がある。
「会員規約に同意してクレジットカードの発行申し込みをしている。」
という契約になってますので、決めるのはお金を貸す側。という建付けになっているんです。
手のひらの上。ってことですね。
余談。手数料率は高くないので・・・
VisaやMasterの世界ですと、カードを発行した会社がカード利用金額から得られる手数料は、
カード利用代金の0.6~2.5%です。公共料金は低い傾向にあり、貴金属や夜のお店は高い傾向にあります。
ちなみに、VISA(Masterカードも)は公式HPで手数料率を公開してます。
ざっくりと手数料収入が1%とすると、
クレジットカード会社は担保を取りませんので、
100万円貸し倒れたときに、100万円分をまるっと損することになりますが、
その100万円分の損失をリカバリーするためには1億円分のカード利用が必要になります。
「100万円貸し倒れると、1億円分の利用&回収があって、やっとトントンになる」
ということになります。、結構シビアな金額だと思いませんか?
見ず知らずの人にホイホイ大きな与信枠を設定できない。というのはこのあたりも一因だと思ってます。